録音ロケ

夜の森

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深夜の山道で迷った。
お気に入りのスポットである大森岳の林道に向って山道を走っていたときのこと。
いつまでたっても入り口が見つからない。あれ〜、おかしいな、、、と思って
いるうちに、通行止めの標識が出てきた。あれ〜? 行き過ぎたのかな?
そんなわけないのに、、、一瞬状況が判らなくなったのだが、ともかく前へは
行けないので、来た道を戻ることにした。
すると5分も走らないうちに、別の通行止めの標識とバリケードが!
えええ〜〜〜??
ここでもうかなりパニック。あたりは真っ暗。民家も当然ない。
さっき通って来た道なのに、、、なぜなぜなぜ。。。??
まるでホラー映画じゃないか。トラップされたのか?ええ〜〜?
もう分けがわからなくなって、さらにパニック気味。
もう一度、最初の通行止めのところまで戻ろう。
やっぱり通行止めだ。ええ〜〜〜、、、どうすりゃいいんだろ!?
ここでよ〜〜〜く考えてみよう。
最初の通行止めにぶち当たった時には気がつかなかったが、戻りはじめた時に、
二つに別れる道があったな。あっちから来たんだ、きっとそうだ。
もう一度来た道の方向に戻ると、さっきは真っ暗だったので気がつかなかった
のだが、上に上がっていく道があった。あ、これだ! こっから来たんだ。
お願い! そうだと言って! と言っても誰もいない。
こんなときにフリッツはあまり役に立たない。
恐る恐るその上に上がる道を行く。う〜ん、、ホントこの道だったっけ?
しばらく行くと、すぐに大森岳へ昇る林道の入り口が出てきた。
あれ〜〜? さっきあれほど注意しながら行ってたのに、どうして
見逃してしまったんだろう、、、まあいいや。ともかく行こう。
いやぁ〜、良かった良かった。
といっても、真っ暗だ。夜の森は本当に怖い。
林道の入り口のゲートを開け、ゆっくりと登りはじめる。
すると今度は道のどまんなかに倒木があるじゃないか。
昨日はなかったぞ。それも見事に道の端から端までふさいでいる。
ちぇ、またかよ、降りるよ、降りるよ。動かすしかないからね。
マムシがいるから、足下によ〜く注意しながら車から降り、
松の木を動かそうとすると、、、
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これがまたウンともスンとも動かない。倒木じゃなくて、生えてた木が
根元で地滑りして倒れてきているのだ。つまり、根っこはついたまま。
おいおい、頼むよ、、、テコの原理を利用して、先っぽの方を持って押す。
じりじり動き始めるが、根っこがしっかりしている所為かめちゃくちゃ
重たい。やっとのことで車が通れるすき間を作って、なんとか通れた。
それにしても、夜の森はこわい。
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*恐々録音する僕

綾町録音日記


*早朝、霧に煙る大森岳
昨日は夜中じゅうずっと小雨が降っていた。夜明け前、ダメモトで大森岳へ。
夜が開ける頃雨があがった。すると、鳥達が嬉しそうに鳴きはじめた。
来て良かった。小1時間ほど録音して下山する。
それから川中キャンプ場周辺へ。綾北川もそうだったが、この雨続きで
上流にあるダムが放流していて、川の水位が上がり、水量もえらく多い。
そのため、川の音はかなり荒々しく、あまり色気がないので録らずに帰る。
夜は綾の名士、絹の手紬染織をされ「現代の名工」と称される秋山眞和先生と食事に。
外で軽く食事をし、先生のお宅に場を移し飲んだ。翌朝早いのでと早々に帰宿。
今朝はようやく雨があがった。夜明け前に大森岳へと向う林道に入る。
暗い時間の林道はやっぱりちょっと怖い。何ヶ所かに落石があり、
岩を移動させながらゆっくりと進む。途中大きな木が道をふさいでいた。
昨日は無かったので、昨夜落ちてきたのだろう。これが重くて大変だ。
なんとか脇によせて車を進める。
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*林道をさえぎる落石群
お気に入りのスポットを見つけ、マイクをセッティング。
もうすでに早起きの鳥達が鳴きはじめる。宮崎ではなんとアカショウビンが
鳴くのだ。アカショウビンは奄美大島で有名な鳥で美しい声で鳴く。
屋久島にはいなかったので、そこらあたりが北限かと思っていたら、
なんと宮崎にはいた。アカショウビンとウグイスが同時に鳴いている
さまは、なんとも不思議な光景だった。
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*三脚をたてての自分撮り

綾町ふたたび 1日目

今日、また綾町に来た。本格的に自然音を収録するためだ。
自然音のロケは必ず単独行と決めている。自然と正対するためだ。
そんなわけで、今回はすべてひとりでの行動となった。
夕方、宮崎空港に降り立ち、レンタカーを借り、カーナビを頼りに
綾町へとひた走る。幸い雨は降っておらず、迷うことなく無事綾町に
着いた。
天気予報によると、明日、明後日共に雨だ。雨の音はそれはそれで
情緒があって良いものだが、やはりお天気の日の音も録りたい。
まあこれも運任せなので、じっくり待つしかなさそうだ。

裏高尾

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今朝、高尾から戻った。午前3時に宿を出て、前日当りをつけておいた
場所に行く。マイクとレコーダーをセットして、しばし待機。
現地に思いの他早く着いたので、かなり余裕。星空と26夜の細く綺麗な
月を見ながら、夜明けを待つ。
それにしても・・・・
やけに静かだ。静か過ぎる。虫もカエルもフクロウも・・・それどころか、
生き物の気配すら感じない。時々うっすらと虫が申し訳程度に鳴くくらいだ。
へんだなぁ?? そうこうしているうちに、空が白み始める。あれ〜〜?
鳥が鳴かない! なんでだ〜〜? やむなく別の場所に移動するが、沢に
近過ぎたり、鳥がいなかったり、、、最終的に行った場所は渓谷になっており、
音的には素晴らしく、鳥も比較的いるにはいるのだが、沢に近過ぎる。
しかも水量の多い流れの急な沢なので、ごぉ〜〜〜っという音が聞こえ過ぎて、
いい感じにならない。そのうち車の音が! 中央自動車道か? そのうち
飛行機が・・!! とほほ〜〜〜
そもそも、一日や二日で録ろうと思う方がムリなんだな。いつも3週間くらい
ロケするのはそういうことなのだ。しっかりとロケハンをして、トライ&エラー
を繰り返し、お気に入りの場所を見つけ、一気に録る。これがいつもの方法。
今回は処々の事情により、それが出来ないので決め打ちしたのだが、、、
しかし、これも巡り合わせだとあきらめて、頂いただけたものだけを
もらって帰ろう。なんと言っても相手は自然。欲張ってはいけない。
でも、裏高尾は探せばまだまだ良い場所がありそうだと思った。
PS: ロケハンにつきあって下さった、高尾ツリーハウスの坂田さん、ながともさん、
  ロケハン、録音と同行してくれた桜井さん、そしてセッティングして下さった、
  原宿ハイダウェーの石川さん、ご協力、本当にありがとうございました。
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*山でキジを見た! こいつ、そばまで行っても逃げないで、一生懸命
なにかつついて食べてました。すごい綺麗でかわいかった。