愛知博・奄美プロジェクト
今、愛知博に来ている。市民パビリオンというところで開催されている
『奄美プロジェクト・地球の授業』というイベントの講師役だ。
「授業の講師」なんて恐れ多い。学生時代は授業が始まり出欠をとり終わると、
まっさきに教室を抜け出して遊びに行っていたので、まさか先生役を仰せつかるとは
思いもしなかった。
そういえば、高校時代、古文を受け持っていたおばあちゃんの先生がいた。
この先生、すごい近眼で、教室の後ろの方になると生徒の顔すら 良く分からなかった。
だから、出欠をとるときは、必ず人数を数えてから一列ごとに出欠をとっていた。
そのころ学校の中をうろついているノラ犬がいて、弁当の残り などを与えて、
みんなでかわいがっていた。あるとき、そいつを教室に連れてきて、学生服を着せ、
その古文の時間にイスに座らせておいたら、そのおばあちゃん先生、 ちゃんと
ひとりとして勘定してたっけ。
・・・って、ぜんぜん愛知博とは関係ないんですけどね。
この『地球の授業』奄美大島がテーマで、写真家、大学教授、森のレンジャー などが
日替わりで1日3回づつ講演をすることになっている。それにまざって僕も奄美の
自然の音の話などを実際に音を聴かせながら、おしゃべりするわけだが、実は僕だけが
奄美出身者ではないのに気がついた。それでも呼んでもらったってことは、かなり
光栄なことなのかもしれないな、なんて思う。
昨日、3回目の講演の直前に、インドネシアの王妃がやってきた。
英語が話せるということで、いろいろと話をしていると、僕のやっていることに
とても興味を持たれて、インドネシアに来たことはあるか、(ない)いろいろ
質問された。お土産に僕のCD「Amami」を差し上げるとたいそう喜ばれて、
お返しに王妃がご自身で進められているプロジェクトに関する記録を集めたDVDと
名刺をくださった。ひょっとするとインドネシアに呼んでもらえたりして・・・(笑)
それにしても、さすがに万博、いろんな人に会えるのが嬉しい。
昨日は奄美から写真家の浜田太さんが今日の授業のために奄美から来られた。
浜田さんは長年奄美の自然を撮り続けておられ、数多くの写真集を出されている。
僕も何冊か拝見したのだが、息を飲むほど美しい写真を撮られている。
いつかお会いしたいなと思っていたので、浜田さんを紹介してもらったときは
本当に嬉しかった。さらに嬉しいことに、浜田さんは僕が奄美の自然を録音して
いることをご存知で、お噂はよくうかがっていますよ、と言って下さった。
その夜は、このプロジェクトのリーダーで音楽評論家の増渕英紀さんご家族と
浜田さんとで、名古屋名物の手羽先屋『山ちゃん』へご飯を食べに行った。
ここには奄美の黒糖焼酎が何種類も置いてあることを発見。僕と増渕さんの
目が光る。浜田さんの目も一瞬キラリと光ったのだが、次の瞬間、
「いやぁ〜明日は講義だから早寝しないと・・・」とやや消極的な発言。
しかし、2杯の生ビールの後にこの発言は撤回される。
「ん?里の曙あるの? グラス買い? ボトルでとろうよ、ボトルで。」
いきなり積極的になった。
その後、増渕さんの部屋で差し入れの黒糖焼酎(希少な銘柄だそうだがなにか忘れた。)
を軽く飲んで(もちろん浜田さんも)速攻で眠りについた。