Joe’s Day

96kHz-24bit PCMファイルの聴き方(Mac編)

僕の新作、『Wave from Hawaii』 がいよいよ1月6日に発売になり、お陰様で、多くの方からご好評をいただいている。同時に、今回初めて USB メモリースティックでのお届けになったことと、オーディオファイルが、96kHz-24bit という一般の方には馴染みが薄いフォーマットであるため、扱いに戸惑っている方もいらっしゃるようだ。そこで今回は、この高音質のファイルの聴き方について、解説したいと思う。なお、私はMacユーザーなので、今回はMacで試聴する場合の解説に留めさせていただくが、追ってウィンドウユーザーのための解説もご用意させていただくつもりなので、少々お時間をいただければと思う。

【 まずはじめに 】

マック本体のオーディオ設定を行う

  1. ヘッドフォンを使用する場合は、ヘッドフォンを接続した状態にする。外部スピーカーを使用する場合は、同様に、使用する場合と同じ接続にしておく。
  2. マック本体の、「アプリケーション」 という名前のフォルダにある、「ユーティリティ」 という名前のフォルダをクリックする。
  3. その中にある、「Audio MIDI 設定」 というユーティリティをダブルクリックする。
  4. そうすると、「オーディオ装置」 というウィンドウが開くので、左側にある装置のリストから「内蔵出力」を選ぶ。
  5. 次に右側にある「フォーマット」の設定を行う。デフォルトでは、フォーマットが「44100.0 Hz」 となっているはずなので、これを数字の右側にある青いボタンをクリックし、「96000.0 Hz」 を選ぶ。
  6. 次に、そのすぐ右側にある窓に、「2ch-16 ビット」 と表示されていたら、同様に「2ch-24 ビット」 に変更する

マック本体のオーディオ設定は以上だ。『Audio MIDI 設定』は終了して下さい。下の図が完了した状態。

では、いよいよ『Wave from Hawaii』 が入っている、USB メモリークリップをマック本体に接続しよう。

【FREECOM USB メモリーの接続】

USB クリップをマック本体のUSB スロットに挿入する。

注意: このUSB クリップは、裏表どちらの向きでも入ってしまうので、もしデスクトップに「FREECOMCLIP」 というデバイスが表示されない場合は、裏表を反対にして、挿入し直してください。

【聴き方】

  1. まず最初に iTunes を起動させる。
  2. 次に、「FREECOMCLIP」(USBメモリー)の中にある『Wave from Hawaii Joe Okuda』 というフォルダをクリックする。
  3. 『audio』 というフォルダをクリックする。
  4. 『PCM』 というフォルダをクリックする。(データ量の軽い方が必要な場合は『MP3』 というフォルダに入っているファイルを使って下さい。)
  5. 『Wave from Hawaii.wav』 という名前のファイルをドラッグし、iTunes のウィンドウの上にドロップする。
  6. そうすると、iTunes がファイルの読み込みを開始し、終了と同時に試聴することが出来ます。

以上です。文章になったものを読むと、面倒に感じますが、一度覚えてしまうと、操作はとても簡単です。最高の音質で聞く自然の音の素晴らしさを、どうぞお楽しみ下さい。

【追記】

まだお買い求めで無い方のためにお買い求めは、発売元のFREECOMのサイトで購入出来ます。定価は2780円ですが、FREECOMサイトで会員登録すると、なんと半額の1380円で購入できます。もちろん会員登録は無料ですので、ぜひ会員登録していただいて、半額になった分、2個買って、(笑)、お友達にプレゼントして下さい。

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新作『Wave from Hawaii』遂に発売!!


明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。今年は喪中ということもあり、例年のように積極的には新年のご挨拶はしなかった。例年、メールでご挨拶している皆様、どうかご了承下さい。

さてさて、暮れから新年にかけて、ゆっくりと休ませてもらい、そろそろお正月モードから仕事モードにスイッチが入り始めた。そんなわけで、昨年、地球ラジオでもお知らせした通り、僕の最新作品「Wave from Hawaii」が本日発売となった!今までの作品は、CDだったりDVDだったりしたわけだが、今回はなんとUSBメモリースティックでの発売だ。しかも、96kHz-24bit という高音質でのリリースだ。これは長年思い描いていたことだったのだが、やっと念願が叶った。自然音の奥深さは、CDでも表現出来るが、現在のデジタルオーディオの技術は、CDを遥かに超える高音質で録音出来る。すると、森の空気感や、水の質感、そしてなんといっても臨場感が、CDとは比較にならないほど、見事に再現することが出来る。それをそのままお届けしたいとずっと願っていたのだが、やっとその思いが叶った。

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このUSBメモリースティックは、「スティック」というより、「クリップ」としてデザインされていて超小型。これはドイツのデザイナー、Arman Emami 氏による美しいデザインで、ペーパークリップのような形状のUSBメモリーという非常に斬新なデザインが施されている。今回の僕の作品は、特色の白をベースにハワイをイメージしたプルメリアと、カメそれぞれブルーで描かれたふたつのバージョンが用意されている。

メモリーの中には、30分の96kHz -24bit のPCMファイルの他に、mp3ファイル(320kbpsという高音質) も用意されている。そして、オマケとして、僕がハワイで撮影した写真が30枚、そして、ライナーノーツ、プロフィールがPDFファイルで用意されている。これらのデータをすべてパソコンに移した後は、8GBのメモリースティックとして、使用できるのが便利だと思う。お買い求めは、発売元のFREECOMのサイトで購入出来る。定価は2780円だが、FREECOMサイトで会員登録すると、なんと半額の1380円で購入できる。もちろん会員登録は無料なので、ぜひ会員登録していただいて、半額になった分、2個買って、(笑)、お友達にプレゼントして下さい。

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「Joe’s Bar」、頑張れ福島!!のお知らせ

いつも間際のお知らせで申し訳ありません。。。。というわけで、緊急告知です。

今週の土曜日、4月2日に、恒例の 「Joe’s Bar」 を開催いたします。今回のテーマは 「頑張れ福島!」 ということで、福島県のお酒を集めて、試飲会を開こうと思っています。当日は僕と歌手のおけいちゃんが司会進行を務め、各方面からゲストの方もお招きしていますので、どうかお楽しみに!

この度の震災で大変な被害にあわれた福島県の皆さんを僕達が出来ることで、少しでもなにかの助けになればと思っています。福島県は本当に自然が美しく、水も素晴らしく綺麗な場所です。その土地で作られたお酒ですから、メチャクチャ美味しいんですよ!みんな夜になったらお酒を飲むわけですから、どうせだったら福島のお酒を飲んで、それが少しでも福島の産業の手助けになったらこんな素敵なことはないと思いませんか?風評被害で、大打撃を受けている福島県を、酒飲みの力で助けよう!!なお、当日は義援金の募金も受け付けています!!

[詳細]

  • 日時:4月2日(土) 18:00〜24:00(延長ありか?)
  • 場所:代々木マイバックページス http://www.zoono.co.jp/
    東京都渋谷区代々木1丁目36−9
    03-5358-3539
  • アクセス:JR代々木駅から1分!
    JR代々木駅、北口改札から出て、正面にあるマクドナルドを通り抜ける。
    反対側の道に出たら、左に5m歩いた左側です。
  • 地図はこちら:http://bit.ly/au7gQA
  • 入場料:¥500!!

Joe’s Bar 新年会のお知らせ。

近頃、ツイッターばかりやっていて、しばらくサボっていたこのブログですが、『みんながみんなツイッターをやっているわけではないので、ブログでの告知もお願いします』というファンの声もあり、重い腰をあげて書いております。(^-^ゞ

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*この画像は本文とあまり関係ありません。

そんなわけで、Joe’s Bar の第4回目、開催のお知らせです。2月3日は旧正月。というわけで、今回のJoe’s Bar のテーマはずばり、新年会!1月はいろいろとお忙しかったことと思いますので、ここらでちょいと落ちついて、あらためて新年を祝う会をいたしましょう!お時間のある方も、そうでない方も、ふるってご参加下さい。詳細は以下の通り!

[詳細]

  • 日時:2月12日(土) 18:00〜24:00(延長ありか?)
  • 場所:代々木マイバックページス http://www.zoono.co.jp/
    東京都渋谷区代々木1丁目36−9
    03-5358-3539
  • アクセス:JR代々木駅から1分!
    JR代々木駅、北口改札から出て、正面にあるマクドナルドを通り抜ける。
    反対側の道に出たら、左に5m歩いた左側です。
  • 地図はこちら:http://bit.ly/au7gQA
  • 入場料:¥500!!

新年のご挨拶

皆様、新年明けましておめでとうございます。

2010年は私にとって大きな変化をもたらした年でした。明治神宮鎮座90年記念作品の監督という重責をいただき、それを全うすることに始まり、終わった一年でした。旧年中は皆様の暖かいご声援、本当にありがとうございました。2011年はこれまでの積み重ねを出発点とし、新しい世界へと羽ばたいて行けるよう全力を尽くすつもりです。どうかこれまで同様、ご支援のほど宜しくお願い致します。

皆様のご健康とお幸せを祈って。

2011. 1. 1.

Joe Okuda / ジョー奥田

2010年を振り返って

日本時間では、今年も残すことろ後わずか。ロサンゼルスは大晦日の早朝。というわけで、恒例の、Joe Okuda Blog、「一年を振り返って」をお届けします。

【1月】

2010年も忙しい年だった。前年秋からスタートした明治神宮DVDの制作に明け暮れた一年だった。1月は少し時間があったので、しばらく留守にしたロスに一旦帰ることにする。雪のシーンはどうしても録りたかったのだが、永住権の関係で帰らねばならず、後ろ髪を引かれながら東京を後にしたのを覚えている。

【2月】

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1月中はずっとロスでのんびりしていた。こういうリセットタイムが自分には必要だ。2月に入り、NYに行く。これはNSOの海外進出の足がかりを作るためだ。NYでは、すでに「NSO」のCD発売を開始していた。地元の雑誌の取材を受けたり、打ち合わせしたりという日々が続く。そこへ突然日本から、母が倒れたという連絡が入り大慌て。担当医と話したところ、危険な状態は脱したとのことで一安心。悩んだ末、NYのスケジュールを全うして、LA に戻る。LAに数日滞在し慌ただしく旅支度をして東京に戻る。翌朝。夜明け頃目が覚める。雪だ!すぐに撮影の準備をして、明治神宮に出かける。なんという幸運! 雪が僕の帰りを待っていてくれた!素晴らしい雪景色が撮れたのだが、、、、めちゃくちゃに寒かった。

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そして、その日の昼過ぎ、母が待つ大阪へと移動する。

【3月】

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3月のブログのアーカイブを見ると、たったの1回しか書いていない。2月末に一旦、大阪から東京に戻ったのだが、10日もしないうちに、また大阪に行くことになり、そのまま4月まで大阪にいることになる。実家は古い日本家屋なので、スキマ風がはんぱじゃなく、もの凄く寒かったのを覚えている。

【4月】

4月3日に東京に戻り、慌ただしく打ち合わせを2本こなし、FMブルー湘南に出演し、ヘアカットに行き、14日にはまた大阪に行くことになる。空いた日はほぼ毎日明治神宮に撮影に出かけた。桜の絵を押さえておくためだ。

この頃、明治神宮からDVD制作に関する最終的なゴーサインが出た。制作はすでに前年秋からスタートしているので、かなりずれてしまったが、それでも嬉しかった。

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この頃にツイッターを始める。これが今年の後半を加速することになる。

【5月】

4月最後の週から5月のスケジュール表を見ると、なんと、5回も明治神宮の深夜ロケに出かけている。スケジュールに書いていない日も、早朝や昼間には何回も撮影に出かけた記憶がある。大阪滞在のために遅れた分を取り戻そうと、必死だったのだろう。

【6月】

6月は久しぶりにライブ出演した。新宿の白龍館というチャイニーズレストランで、NSOのメンバー、高橋全さんとのコラボだった。なんだか、尚ちゃんが欠席したNSOみたいだったが、(笑) 内容はとても濃かった。また、6月24日から大阪に行っている。このときは、大学の同窓会に出席するためだった。何十年ぶりの懐かしい顔に出会う。


*写真は本文とは関係ありません。

【7月】

7月は何かと忙しかった。目立ったものだけでも、

  • サーロとの初ライブ
  • 東大での講演
  • 第1回 Joe’s Bar 開催

3本あり、それ以外にも打ち合わせがとても多かった。近所のなじみのBarで始めた「Joe’s Bar」が思わぬ大盛況だったのが嬉しかった。

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【8月】

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8月のブログを見ると、ラジオ出演と、『Joe’s Bar』の告知だけ。この頃から、ツイッターにウェイトがいってしまい、ブログが怠けがちになってくる。予定表を見ると、明治神宮の夜中ロケに3回出かけている。いよいよ制作の追い込みに入っていたのを思い出す。また、この月、大阪に2回行っている。いったい今年何回行ったんだ!って思ってします。

【9月】

この月もブログは、ラジオ出演の告知と、ライブのお知らせだけだ。9月にはいり、いよいよ明治神宮DVDの締め切りが目前に迫り、目が血走り始めることになる。9月後半から10月にかけての緊張感は、もう二度とゴメンだと思うくらい、凄かった。それほど制作が遅れていたのだ。本当にギリギリのギリギリで、間に合うことになる。

【10月】

10月も目が血走ったまま突入した。ギリギリのタイミングでオーサリングスタジオに飛び込んで、マスターを仕上げ、工場へ直送した。パッケージの最終稿も上がり、いよいよ佳境。すべてを工場に納品した時点で、全身脱力。まさかここまでたどり着けるとは思っていなかった。しかも、工場から仕上がったDVDが届けられたのは僕の誕生日だった。何か運命的なものを感じる。

【11月】

さて、なんと、11月以降はブログを書いていない!これはツイッターの影響に違いない。だいたい書きたいことはツイッターで書いているので、もういいか、と思ってしまうのだ。イカン!DVD『美しき神宮の森』が、無事予定通り、11月1日に発売され、評判も予想以上に良く、ホッと一息。その日は、明治神宮鎮座90年祭という大きな式典に出席させていただき、そのオープニングで、このDVDのダイジェスト版を上映していただいた。この式典が無事終わって、ドッと肩の荷が軽くなったのを覚えている。無意識のうちに持ち続けていたプレッシャーは相当なものだったことに、初めて気がつく。

【12月】

11月に、「来月ロスに帰ります」とツイートしたおかげで、打ち合わせの問い合わせが殺到した。いつもそうなのだが、「帰る」と言うと、こういう現象になる。ときどきウソでも「帰る」と言ってみようと思う。(笑) 12月8日の出発前日までラジオの収録、打ち合わせ、飲み会が続いた。そこから逃げ出すようにLAに帰ってきた。この一年間の疲れがドッとでたのか、最初の1週間はずっと寝ていたような気がする。

そんなわけで、駆け足で振り返った2010年。明治神宮のDVD制作に明け暮れた感が強い。この重責から解放された今、次へとむけて心構えも新たに、進んでいこうと思う。ロサンゼルス時間では、あと4時間ほどで新年を迎える。今年一年、皆様、本当にありがとうございました。皆さんの応援を心の支えに、一年頑張ってこれたように思います。どうか、2011年も、同様にご支援のほど宜しくお願い致します。

ジョー奥田

「今日は良い日だった」 の巻

先日お中元にビール券をもらっているのを、今思いだした。そして今日見つけた新しい魚屋のことが頭に浮かんだ。

「そうだ!刺し身に冷酒だっ!」

早速、ビール券を握りしめ、近所の酒屋へと向う。冷酒を仕入れ、支払いをしようとレジに向うと、なんと焼酎ハイボールが88円! 安い!!(*良いこと、そのいち)ついでに買い込む。

袋をさげて、魚屋「橋本屋」へ。若いオニイちゃんひとりでやっているお店なのだが、これからすぐに配達に出るので、今はさばく時間がなく、また戻りも遅くなるとのこと。

「あぁ〜、そうなんだ。ま、しょうがないね。じゃまた今度来るわ。」

と告げると、申し訳なさそうなオニイちゃんが、

「すみませんねえ。あっ!! そうだ、これ持ってって下さい。」

・・・と、冷蔵庫から袋を取りだした。それは寿司屋に卸すというデカイぼたん海老だった。それを5個ほど取りだすと、袋に入れて差しだした。

「いや〜、いくらなんでもそれは悪いからお金払うよ。」

って言うと、

「あ、いいですいいです、どうぞ持ってって下さい。」

・・・というわけで、ぼたん海老をいただく。(*良いこと、その2)

いそいそと家に帰り、冷酒を冷凍庫に入れようとすると、もう満杯。というのも霜がかなり厚くついていてい、格納スペースをかなり狭めている。この際、霜取りををしよう!テーブルナイフでごりごりすると、どんどん取れる。取れた霜はボウルに入れて、バスルームの洗面台へと移す。

そのうち洗面台いっぱいの霜がたまり、冷凍庫はすっきりさわやか。さあ、冷酒を・・・ あれ? 待てよ。そうだ! この洗面台いっぱいの霜の中に冷酒を入れればめちゃくちゃ冷えるはずだ。冷凍庫はきれいになるわ、冷酒は冷やせるわの、一石二鳥!(*良いこと、その3)

そんなわけで、今夜はぼたん海老の刺し身を肴に、冷酒を飲もう。ついでに冷凍庫で待機している鮎も焼いちゃえ。というわけで、魚屋のオニイちゃんのおかげで、今夜はとても豪華な夕食となりそうだ。(*良いこと、その4)

以上、総合すると、『今日はとても良い日』 だった。

鮎姫様がやってきた!

早朝、次のライブ用の音源の仕込みをやっていたところ、ピ〜ンポォ〜〜〜ン、とチャイムが鳴った。

「宅急便で〜す。」

ふぅ〜む、なんじゃろかい。この暑さゆえ全裸で仕事をしていた僕は、そそくさと部屋着を身に着ける。ドアを開けると、クロネコヤマトの配達員が、白い箱を抱えて立っていた。

「お届物です〜。鮎ですよ。いいですね〜〜」

そう言いながらその白い箱を手渡され、「いやぁ〜ありがたいですね〜」などと軽口をたたきながら、サインした受け取り書を戻し、「お疲れ様〜!」とドアを閉めた。宮崎県延岡からやってきた天然の鮎である。送り主は昨年も鮎を送って下さった、クライアントさんだ。なんて律義な方なんだろう。もう仕事そのものは一昨年に終わっている。もちろん、契約関係が続いているとは言え、こちらが提供する作業は終わっている。なのに・・・・心がふわりと暖まる。

早速、発泡スチロールのトロ箱を留めていたテープをくるりとはがし、蓋を開けると、そこには見事に整列されたお鮎様達がぎっしりと並んでおられた。

『お鮎様のお〜なぁ〜り〜〜〜!』

さてここからが大変だ。まずは記念撮影と相成る。三脚を立てカメラをセットし、オートタイマーで、、、、「はい、チーズ」、、カシャッ。お鮎様はニコリともしなかった。あたりまえか。お鮎様のお顔はツンとしていて、「フン、なにさ。」と言いだしかねない凛々しさだ。さすが川魚の女王といったたたずまいだ。

ここからのお持て成しは昨年すでに経験している。最初は全く何も知らなかったので、大慌てで友人に電話をしたり、ネットで調べたりし、最後は送り元の業者さんに電話をし、処理の仕方を教わった。鮎は足が早い魚だと言われている。これほど大量の鮎を保存するには冷凍するしかない。その場合に大事なことはフンを抜くことだそうだ。他の魚だとワタごと抜いてしまうそうだが、鮎の場合はそうはいかない。ワタも美味いからだ。そこで、冷凍する前に、お腹をしごいて肛門からフンを抜いてから冷凍すると長持ちするそうだ。これは業者さんが言っていたので間違いないはずだ。

さてさて綺麗に整列された見事なお姿のお鮎様。失礼ながらお身体拝見、流水でぬめりを取りお腹をしごいてみる。あれれ?出ない。念のため次のお方。やはり出ない。どれも出ない。なんともうすでに処理されていたのだ!なんと手塩にかけられたお姫様であろう。一応、念のためおしりを調べながら、一匹、あ、失礼、おひと方づつお身体を洗い、布巾で水分をぬぐい、ラップで巻いていく。この作業が結構大変ではあるのだが、すでにフン抜きをしてくれているので、楽チンだった。すべてラップに包まられ、皿に並べられたお鮎様。これをまたお一人づつ、アルミホイルで包んでいく。そしてお三方づつ、ジップロックのバッグに入っていただき、作業は、いや、お持て成しは完了。今日食べる分だけ冷蔵室に入れ、残りの方々には冷凍庫に納まっていただいた。

手にはすっかり鮎の香りが移ってしまった。スイカに似た川の匂い。ひと足早い日本の夏の訪れだ。

代々木一丁目界隈

数日前、三日月が綺麗だったので、写真を撮ろうと思い大通りに出てみると、通りがやたら賑やかなのにびっくりした。新しいイタリアンレストランがオープンカフェのようになっていて、若者たちがたむろっていた。その風景はまるで西麻布あたりのようなオシャレさで、僕の知る代々木とはかけ離れた景色だった。こういうのもいいね。