武道とは!


明治神宮のDVD制作が進行している。これは明治神宮の中にある
『至誠館』という武道場の建立35周年を記念して、写真集と共に
制作されるものだ。なんと大それたことに、僕はこのDVDの方の
監督を任されている。
今回のテーマは『武道の神髄』。高校の授業程度しか武道の経験のない
僕にとっては、この『武道』というテーマが非常に新鮮で、すぐに
とりこになってしまった。このプロジェクトが動き出して以来、
ずっと『武道』とはなんだろう、ということを考え続けている。
館長の稲葉先生や師範の先生方にお話をうかがったり、あげくには
チベット仏教の高僧の方にお話をうかがったりしながら、自分なりに
「武道」というものを捕らえ、その神髄のひとかけらでも伝えることが
出来たら、という気持ちでやらせていただいている。
この「武道」のストイックさというものは、ある種、音楽に関わる
もののもつストイックさと共通する部分もあるのだが、その質が
根本的に違う、というのが分かる。武道の場合は、自らの生死を
かけた部分で関わらなければならないときがあるわけで、いくら
ミュージシャンが「命がけで」と言っても実際に死ぬことはないわけで、
そこらあたりの突き詰め方というか、自分を追い込む覚悟のほどは
尋常ではない。
館長の稲葉先生がおっしゃった
『自分が一生、命をかけて関わることを見つけることが大事なのだ。』
という言葉が心の深いところにあるものを震わせた。

*右から2番目の後ろ姿が僕。右端はNSOの映像担当のキミちゃん
そういう関わりを持ちはじめると、自分自身の姿勢にも影響が出始め、
自分ももっともっとストイックになっても良いのだ、と思い始めたりも
して、自分の中に少しづつ小さな変化が見えてきているのが面白い。
僕は単純だからすぐ影響を受けてしまうのだな。
そんなわけで、いろんなスケジュールの合間を縫うようにして制作している
このDVD。発表は今年の秋頃になる予定なので、武道に興味のある方は
是非お楽しみに!
*この撮影の模様は、明治神宮のサイトでも紹介されています。