この一年を振り返って。
いよいよ2005年もあと数時間で終わり、新しい年を迎えようとしている。
この1年を振り返ってみる。
なんといってもこの1年の大きな始まりは、4月に屋久島に行ったことだと思う。
そして自分にとっての初めての映像作品を作ったということは記念すべき出来事だった。
この屋久島をテーマにした映像作品『Memory of the Earth – Yakushima』は、僕自身に
とっても大きな意味を持つ作品となった。この作品の評判が口コミで広がり、それを
きっかけに東京での活動が始まったような気がする。
そもそも映像に関しては素人同然の僕が、自分の自然に対する思いだけをたよりに
作ったものだったのだが、自分の能力をはるかに越える素晴らしい作品が出来上がった。
それが自分の大きな自信につながったし、また大きな評価としても返ってきた。
そしてその後の大きな出来事というと、愛知県で開催された『愛・地球博』の
『奄美プロジェクト』に参加したことだ。市民パビリオンで行なわれた『地球の授業』に
講師として2日間招かれて、奄美の自然について話した。このときに関わった人達との
関係が今でも続いていて、それは続いているというよりさらに関係が密になり深まって
いっているのが面白い。
そしてなんといっても長らく暖めたまま形にしていなかった、『AMAMI』が
ジェマティカレコーズから発売されたこと。しかも『Nagi』『Canoe Trip』と合わせて
3枚同時発売になったこと。このことは今後の自分の活動を大きく前進させてくれたと思う。
前作の『川へ帰ろうー四万十川』を自分のレーベル、クリアライトから発売して以来
数年を経過して、自分でレーベル活動のすべてを取り仕切ることに対する限界を
感じていたときに、手を差し伸べてくれたのがジェマティカレコーズの高橋社長だった。
それまで先が見えずに迷っていた僕の気持ちを、高橋社長の熱意が動かした。
そしてジェマティカに賭けてみることにした。その直後、数社からのオファーを受けたが
迷うことはなかった。そして、夏からこの3作の完成をめざしてスタジオにこもりっきりで
作業を続けた。そして念願であった朝崎郁恵さんの島唄を作品のクライマックスに
加えることも出来た。
自分がこれからずっと続けていこうと思っているシリーズ、『美しき地球の記憶』の
第1作として『AMAMI』を発表出来たことはなんといっても嬉しいことだった。
自分にとっては奄美大島は本当に深いつながりを感じる場所で、その思いが深い故に
なかなか作品として完成させることが出来なかったのだが、ジェマティカとの契約を
きっかけに一気に仕上げることが出来た。
こうして振り返ってみると、この1年間に4つもの作品を発表することが出来たわけで、
それは自分にとっては本当に大きな意味を持つ1年だったように思う。
活動の拠点を東京に持つことを決めてスタートした2005年。数多くの人達に支えられ
助けられながらここまで来ることが出来た。
その中心となった人物は増渕英紀さんだった。2003年11月に奄美大島で、実に30年ぶり
という偶然の再会を果たし、それをきっかけに増渕さんは僕の良き相談相手となって
下さっただけではなく、常に僕の活動を支援し、あらゆる面からヘルプして下さった。
彼の存在無くして今の僕はあり得ない。本当にありがたいことだと思う。
増渕さんだけではなく、彼を中心とした『奄美応援団』の方々、大村さん、山川夏子さんを
始め、多くの方々が常に僕の活動を支援して下さった。
それ以外にも東京には多くの友人がいて、そのみんながいろんな角度から支えて
助けてくれたように思う。
また、ネット上で僕の作品の存在を知り、CDを手にして下さり、暖かいメールを
下さった皆さん。そのひとつひとつのメールが僕の心の支えと自信になった。
そのみんなに心から感謝の気持ちを贈りたいと思う。
『皆さん、本当にありがとうございました。来年も宜しくお願いします。』