鮎姫様がやってきた!

早朝、次のライブ用の音源の仕込みをやっていたところ、ピ〜ンポォ〜〜〜ン、とチャイムが鳴った。

「宅急便で〜す。」

ふぅ〜む、なんじゃろかい。この暑さゆえ全裸で仕事をしていた僕は、そそくさと部屋着を身に着ける。ドアを開けると、クロネコヤマトの配達員が、白い箱を抱えて立っていた。

「お届物です〜。鮎ですよ。いいですね〜〜」

そう言いながらその白い箱を手渡され、「いやぁ〜ありがたいですね〜」などと軽口をたたきながら、サインした受け取り書を戻し、「お疲れ様〜!」とドアを閉めた。宮崎県延岡からやってきた天然の鮎である。送り主は昨年も鮎を送って下さった、クライアントさんだ。なんて律義な方なんだろう。もう仕事そのものは一昨年に終わっている。もちろん、契約関係が続いているとは言え、こちらが提供する作業は終わっている。なのに・・・・心がふわりと暖まる。

早速、発泡スチロールのトロ箱を留めていたテープをくるりとはがし、蓋を開けると、そこには見事に整列されたお鮎様達がぎっしりと並んでおられた。

『お鮎様のお〜なぁ〜り〜〜〜!』

さてここからが大変だ。まずは記念撮影と相成る。三脚を立てカメラをセットし、オートタイマーで、、、、「はい、チーズ」、、カシャッ。お鮎様はニコリともしなかった。あたりまえか。お鮎様のお顔はツンとしていて、「フン、なにさ。」と言いだしかねない凛々しさだ。さすが川魚の女王といったたたずまいだ。

ここからのお持て成しは昨年すでに経験している。最初は全く何も知らなかったので、大慌てで友人に電話をしたり、ネットで調べたりし、最後は送り元の業者さんに電話をし、処理の仕方を教わった。鮎は足が早い魚だと言われている。これほど大量の鮎を保存するには冷凍するしかない。その場合に大事なことはフンを抜くことだそうだ。他の魚だとワタごと抜いてしまうそうだが、鮎の場合はそうはいかない。ワタも美味いからだ。そこで、冷凍する前に、お腹をしごいて肛門からフンを抜いてから冷凍すると長持ちするそうだ。これは業者さんが言っていたので間違いないはずだ。

さてさて綺麗に整列された見事なお姿のお鮎様。失礼ながらお身体拝見、流水でぬめりを取りお腹をしごいてみる。あれれ?出ない。念のため次のお方。やはり出ない。どれも出ない。なんともうすでに処理されていたのだ!なんと手塩にかけられたお姫様であろう。一応、念のためおしりを調べながら、一匹、あ、失礼、おひと方づつお身体を洗い、布巾で水分をぬぐい、ラップで巻いていく。この作業が結構大変ではあるのだが、すでにフン抜きをしてくれているので、楽チンだった。すべてラップに包まられ、皿に並べられたお鮎様。これをまたお一人づつ、アルミホイルで包んでいく。そしてお三方づつ、ジップロックのバッグに入っていただき、作業は、いや、お持て成しは完了。今日食べる分だけ冷蔵室に入れ、残りの方々には冷凍庫に納まっていただいた。

手にはすっかり鮎の香りが移ってしまった。スイカに似た川の匂い。ひと足早い日本の夏の訪れだ。

1 Comment

  1. 魔女

    ご無沙汰してます・・・・
    鮎姫様みごとですね!!!宮崎にいても中々お目にかかることが出来ません^^;
    今年は口蹄疫の被害で宮崎からの贈り物も突き返されるような事がおきているので、大事に保存される様子には感激しました。ありがとうございました。。。

    Reply

魔女 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>