これは3月の頃の話だ。
米軍基地問題に関する報道が過熱していた。僕は元々政治には全く興味がないのだが、僕が『第二の故郷』と心に思う奄美大島群島の徳之島が移転候補地となっているので、ちょっと気になっていた。そんな頃の出来事である。
大阪でタクシーに乗った時のこと。運転手さんがとても感じのいい人で、話し好きだったので、あれこれ世間話をしていた。話題が基地問題になり、彼が言ったことにハッとした。
『あれ、大阪に誘致したらいいんですよ。だって沖縄にだけ押し付けておくのはどう考えたって不公平でしょ。それでなくても沖縄は戦争の時とんでもない犠牲を押し付けられたわけでしょ。めちゃくちゃな話ですよ。だから、各都道府県が持ち回りで、何年かごとに移転させればいいんですよ。その先駆けとして、大阪が手をあげて誘致したらいいんですよ。』
これがどれほどの現実味のある話なのかどうかは別にして、基地問題に関してこんな意見は聞いたことがなかったので、目からウロコものだった。単純に、面白い考え方だなと思った。単純に、とても公平な意見だとも思った。
あの〜・・・誤解しないでくださいよ。僕がもし徳之島の住人だったら当然反対するでしょうし、もし今住んでいる近所にあんなものが来るなんて話になれば、もちろん大反対すると思う。ただその反対運動を見た沖縄の人達は、いったいどんな気持ちになるだろうか。そんななか、日本のどこかにどうしても米軍基地を作らなければいけない、ということを前提とした場合、そのリスクと不都合をみんなでシェアするべきだ、という考えにはとても爽やかなものを感じたのだ。
それにしても、あんなもんいらんだろ。(笑)
(注) 別段、政治談義を展開しようという意思は毛頭無いのでその手のコメントはご勘弁を。