目が覚めると・・・

朝、誰かの声が聞こえ、目を覚ますとドアのところに人が立っていた。
「ジョーさん、集合時間ですよ!」
状況を理解するのに数秒を要したが、理解したとたんに血の気が引いた。
あらぁ〜〜〜、やっちまったぜ〜〜〜!
あわてて飛び起き、服を着替えた。シャワーなんぞとっている場合では
ないことくらいは寝ぼけた頭でも解ったし、ひげなんぞ剃ってる場合で
ないことも解った。辛うじて歯を磨き、顔を洗い、機材をかついで
集合場所である宿の玄関へと向う。
当然、NSOサイドのスタッフ全員と、Fテレビのプロデューサを始め、
撮影隊全員もそろっていた。
「す、す、、すみませんでした〜〜!」
10分ほどの遅れということで、迷惑は最小限に抑えられた。
ほっとしたとたん気分が悪い。完全な二日酔いである。
あれほど撮影前日は、翌日目が腫れたりしたらイヤだから、飲み過ぎない
ように気をつけようと思っていたのに、、、その配慮と意気込みは、
透明の液体によって、脳から綺麗に洗い流され、思いっきり深酒して
しまったようだ。後で聞くと、解散した2時くらいから、尚ちゃんと
ふたりで僕の部屋で延々飲んでいたらしい。アホですな。
そんなわけで移動中のロケバスの中、頭はもうろうとしているは、
気分は悪いは、のどは乾くわ、、、口をきくことも出来ないほど
ボロボロの状態だった。一方尚ちゃんはサングラスをかけたまま、
一切話をしない。後で全さんにきくと、朝からまったくひと言も
話し出来ないくらい、ヒドイ状態だったらしい。
それでも気合いをふりしぼって、なんとか午前中のロケを終え、
昼食の時間となり、鮎の専門店へ。
そこでなんとあろうことか尚ちゃんは、
「生ビールひとつ」
ええええ〜〜〜〜〜!!? 飲むんかいっ!
「いやぁ〜、もうこういうときは迎えるしかないっす。」
男やなぁ〜〜!
実は心の中では、「うむ、それも一理ある、それもアリだな」と
思ってはいたのだが、身体がイヤイヤしているのが解ったので
思いとどまることにした。だって午後からもずっと撮影があるのだ。
ここで終わるわけにはイカン! みんながボリュームたっぷりの
定食なんぞを食べるのをわき目に、そうめんをむりやり流し込んだ。
ちなみに、尚ちゃん、全さんはざるそばだ。NSOのダメージが
いかに深いかが良く分かる。
午後からも3ケ所を移動しながら撮影は続く。最後のシーンを撮り終えた
頃には身体はもうへっとへとになっているのだが、胃は回復していた。
昼間は酒のことを考えるだけで気分が悪くなるほどだったが、ロケを
終えた頃には、「う〜ん、意外と大丈夫だな」と思えるようになり
ビールが恋しくなっていた。
そして前夜とまったく同じことを繰り返してしまうのだ。
わたくし、学習能力、ゼロ! ということが判明した撮影ロケだった。
それにしても、この顔ぶれで長いツアーなんぞに出かけたら、
確実に肝臓をやられてしまうこと請け合いだ。
*高橋全さんの今回の旅のレポート

*今回お世話になった宿&レストラン、「綾の食卓」