Yearly Archive: 2005

海の見える窓

iPhoto で昔の写真の整理をしていたら、こんな写真が出てきた。

これは数年前、山弦のレコーディングをハワイでやった時に撮った写真だ。
このときは、8ベッドルームくらいある豪邸を借りての合宿レコーディングで、
この写真はその家のリビングにあるドデカイ窓から前庭を見たときの風景だ。
この芝生があるところが前庭で、奥に見える白いフェンスの向こうはすぐ砂浜だ。
このときエンジニアの飯尾さんは、このリビングのど真ん中に機材をセットして、
窓からこの景色を見ながら、山弦のアルバム『HAWAIIAN MUNCH』を
ミックスしたのだ!
う〜〜、、、この幸せ者!!
いつかこんな環境に自分のスタジオを作ってみたいものだ。

写真_1

先日、といってもロスに帰る直前だから、11月の始め頃、明治神宮で
エコロジーオンラインとグリーンスタイルの取材を受けた。
そのときに写真を撮ってくれたのが、黒須一彦さんというカメラマンの方だった。
この方が明治神宮の森の中で撮ってくれた写真は本当に素晴らしかったです!
こんなにオトコマエに撮ってもらったのは初めてですよ!
黒須さん、ありがとう!!
そんなわけで、数ある中からお気に入りをご紹介。
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In LA (2)

先週の土曜日の夕方、Maiちゃんの家に遊びに行った。
彼女と会うのは実に7カ月ぶりだ。
久しぶりに彼女の家に行くので、うっかりストリートサインを見逃して
5〜6ブロック行き過ぎてしまった。
適当な道を左折してビーチ沿いの道をまた左。
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あ!ベニスビーチの夕焼けが見える!
わ〜〜こういう景色がロスの大好きな所だ。
ベニス独特の狭い路地。その裏に入っていく。Maiちゃんち発見!
家の裏道に、壁ぎりぎりに車を停め、裏口から入った。
お〜〜〜! Maiちゃん、元気か〜〜?
お〜〜、じろちゃん、ひろみちゃん!
カノアも相変わらずメチャクチャ美人!
ディーンも仕事が休みで家にいた!
さぁ〜大賑やかな夜の始まりだ。
このT家はすみずみにまでMaiちゃんのキャラクターが反映されている。
それがとても居心地の良い家にしているのだろう。暖かくて優しい。
その証拠にこの家はお客さんが多い。だれでもウェルカム!という雰囲気に
あふれているから、ホントに誰でも来る。(笑)
(でもへんなヤツは来ないけどね。)
いや、きっと間違ってヘンなヤツも来るだろうけど、二度とは来ない。
Maiちゃんはそういうヤツにはハッキリと、「もう二度と来ないで」と
言うだろうから。それが気持ちいい。
そんなMaiちゃんを、ディーンは静かにニコニコ見守っている。
でも実は、姉御のMaiちゃんの言うことを、な〜〜んでも聞いている
ふりをしていても、やっぱりご主人はディーンなのですね。
そこがこの素敵なT家の魅力なのでしょう。

まずビールで乾杯して、焼き肉開始!!
Maiちゃんは酒飲みなので、いつもうまい酒のつまみを用意してくれる。
イカの塩辛、キムチ、キュウリの梅肉和えなどをつまみながら、
鉄板に火を入れる。テーブルには山盛りのお肉と野菜!
まずはタン塩だよね、ルールとして!
そして、ロスの本格的な韓国料理屋さんでやるように、
ごま油と塩それにレモンを用意してくれている。
うむ、やるなっ!
う〜〜、タン塩うめぇ〜〜! ビールぐびぐび。
タン塩→ビール→キムチ→ビール→タン塩&キムチ→ビール(はじめに戻る)
これを数回、、、(いやきっともっとだ!)まあ、適当に繰り返し、
次はキャベツ&タマネギ&もやし。
さすがT家! やることにそつがないぞ! ビタミン、ビタミン!
Maiちゃんもディーンも食べることが好きなので、
T家のメシは抜群にウマイのだ。
これはT家を訪れた人全員が言うことなので、間違いはない。
ビールの次は焼酎でしょ、やっぱり、約束ゴトとしてね!
そして冷蔵庫から大量のカルビが運び込まれる。おおお!! (なんだか驚く)
焼酎→ カルビ→ 焼酎→ カルビ+キムチ→ 焼酎→ 塩辛(はじめにもどる)
これを何十回となく繰り返した。
いったい何を話したのかはよく覚えていないけど、
全員常に笑っていたような気がする。
それもT家の特徴だな。ここに集まる人達はよく笑う。
1番笑っているのはMaiちゃんだ。だからみんなも笑う。
足下では犬がT家の3匹+じろちゃん家の2匹、
計5匹がたむろしている。
みなそれぞれ適当に、人の足によりかかりながら寝ていたり、
外に出ていったり、カウチに登っておしっこしたり、
ホントに適当にしている。それが楽しい。
だから人間も適当にしていられる。
さらに追い討ちをかけるように、エビ、イカのシーフード軍団も参入!
ローテーションが複雑になる。
焼酎→ イカ→ 焼酎→ エビ→ 焼酎→ カルビ→ 焼酎→ 塩辛→ (はじめにもどる)
酔いにまかせてバカ話に花を咲かせ、ふと時計を見るともう1時だ。
ディーンは明日早くから仕事だということなので、
そろそろ退散することにする。
裏口から出るときれいな月夜。静かに波の音が聞こえる。
ガレージの鉄とびらをガラガラ〜っと開け、
じゃあまたと挨拶をして帰路につく。
素敵な友人を持つことはとても幸せなことだと思う。
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Linn 9000

久しぶりの自宅スタジオに帰って、置いてある古くから使っている機材を
見ていると、あれ? こんなの持ってたんだ! なんて発見があって面白い。
そんな中で1番のお気に入りは、
このフォーラットーリン9000(Forat Linn 9000)だ。
確か、89年か90年くらいに買ったと思う。
それ以来ずっと最高のお気に入りだ。
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これはかなり初期の頃のドラムマシンで、最初のサンプリング機能付きだっと思う。
しかも8bit サンプリング!
今は24bit のサンプラーが当たり前になった時代だ。
それから考えるとどれくらい古いか判っていただけると思う。
それでもこのマシンが好きな理由は、音がいいからだ。
bit 数が低いので、高域の再現性はかなりヤバイのだが、
低域のパンチ力は高精度の最新マシンよりも強力だ。
もうひとつ好きなところは、Groove (グルーブ)が素晴らしいからだ。
グルーブというのは、ノリということなのだが、その感じが独特でカッコいい。
いくらマシンとはいえ、ドラムマシンには固有のキャラクターがあって、
ノリもそれぞれ違う。このリン9000 は古いシーケンサー部が
全体を駆動しているので、かなりタイミング的にはよれる。
そのよれ方がとてつもなく魅力的なのだ。
それにシステムがシンプルだから扱いやすい。
直感的にどんどんシークエンスを組んでいける。
そういう意味では、とても楽器的に作られたマシンだと思う。
僕は他に新旧交えて5台のドラムマシンを持っているが、
リンのシークェンスセクションが1番使いやすい。
この『フォーラット(Forat)』というのは、
リンのカスタムメイドをする会社で、ロスの北西部スタジオシティーに
ファンキーなオフィスとスタジオがある。
この会社は、Linn 9000を発表した直後に倒産した Roger Linn社 から、
この、Linn 9000 というモデルを大量に買い取って、
新しいバージョンのシステムを持ったチップに乗せ変え、
ボディーに新しい塗装をほどこし売り出した。
これがウケたんですね。新しいカラフルな塗装もカッコ良かったし。
すぐに、当時ジャネットジャクソンなどのプロデュースで有名な、
ミネアポリスファンク軍団、テリールイス & ジミージャムや、
ベビーフェイスなどのR&B プロデューサー&アーティストに
もてはやされた名機だ。
加えてこのリン9000は、右上にむき出しの大型ディスプレイが
取り付けられていて、暗いスタジオでも操作が楽なようにしてある。
そしてこのテストモデルの以降のモデルは、
ディスプレイにちゃんとワクがついたケースに収められている。
欠点は、・・・・壊れやすいこと。
今まで何度修理に通ったことか。
それでも可愛がっているマシンだ。今度はこれを日本に持っていこうかな?

In LA (1)

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最初にロサンゼルスに移り住んだのが1980年だから、もうまる25年になる。
その2年前、学生の時に観光で2カ月くらいロスにいたことがあって、そのときに
この街が好きになり、大学卒業と同時にアメリカに渡ることを決意した。
そのとき
『この街には自分のためのスペースがある。自分を受け入れてくれるスペースがある』
そう思ったのを覚えている。その記憶がアメリカ移住の決断を後押ししてくれたような
気がする。
1980年というとまだ60年代〜70年代とアメリカ西海岸を中心に続いたヒッピーカルチャーも
含めたカウンターカルチャーの残り火が消えきらずに確実に燃え続けていた時代で、
人も街も自由な気風にあふれていた。LA の場合はそれにサザンカリフォルニア独特の
ビーチ文化、サーファー文化も加わって、独特の香りがしていた。
その香りは、僕がいつもLA の空港に降り立つ時に感じる空気が焦げたような香ばしい
香りと、潮の香りが入り交じったなんともいえないものだった。
その時代にアメリカで学生生活を送り、音楽を学んだことはなによりの財産だと
思っている。
先日、代々木にある僕のお気に入りのバー、マイバックページで『USA for Africa』の
メイキングビデオを見た。そこにはクィンシージョーンズをリーダーに、マイケル
ジャクソン、スティービーワンダー、レイチャールズ、ボブディラン、ダイアナロス、
ヒューイルイス、スティーブペリー・・・・ 40数名の当時のアメリカのスター中の
スター達が一同に介して、アフリカの飢饉を憂い、それを救うという目的のためだけに
自分の貴重な時間と才能を惜しみなく提供した素晴らしいイベントだった。

そこには僕が愛したアメリカがあった。
そのには僕が愛したアメリカの音楽と音楽の魂そのものがあった。
そのビデオを見ながら、ホッピーの酔いに身を任せ涙した。
今、ロスに帰り思うこと。あのアメリカはいったいどこへ行ってしまったのだろう?
実はそれはアメリカだけではなく、日本も同様、この数十年のうちに多くのモノと
引き換えに、多くのものを失ったことに気がつく。
We are the world
We are the children……….
今でも思わず口ずさんでしまう。

Radio Sakamoto

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J-Waveと坂本龍一さんがネットでやっている「Radio Sakamoto」という
サイトを見つけて、面白そうだから応募したらノミネート作品として載っていた。
きっと人気がでると、、、って、いったいどうなるんだろ?
実はあんまりよくわからないで応募したもので、、(^-^ゞ
まあとりあえず、サンプルをクリックしまくってください。(笑)
きっと面白いことがあるのかも。
http://www.j-wave.co.jp/original/radiosakamoto/audition/free_nominees-14.htm

プレ・リリース盤販売終了のお知らせ

CD『AMAMI』のプレ・リリース盤の販売を終了いたします。
おかげさまですべて完売となりました。本当にありがとうございました。
あまりの反応に本人が一番びっくりしています。自分としては渾身の作品ではありますが、
大きな賭けでもありました。このような自然音だけの作品が、ちゃんと作品として
受け取っていただけたことはなによりの喜びでした。
お買い上げ下さった方々からも多くのメールや掲示板への書き込みをいただきました。
楽しんで下さった方、懐かしんで下さった方、泣いて下さった方、それぞれの受け取り方で
受け入れて下さってたのが嬉しかったです。
自然と向き合うことは、実は自分自身と向き合うことなのだ、ということを
言葉ではなく、感性と心で感じて下さったことが自分にとっても一番嬉しいことでした。
皆様、本当にありがとうございました。
また、今回欲しいと思われながら買いそびれてしまった方、『AMAMI』は12月7日に
ジェマティカレコーズより正規盤が発売されることになりました。
ジャケットの仕様が少しかわりますが、内容はプレ・リリース盤とまったく同じです。
各大手ネットCDショップで予約受け付けを開始していますので、そちらの方で
お買い求め下さい。
これからもよろしくお願いいたします。

12月7日発売決定 !!

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僕のCDが12月7日にジェマティカレコードから3枚まとめて発売されることが決定した。
決定と同時にタワーレコード、HMV、アマゾンなどの大手販売店のネット販売で
予約の受け付けが始まっている。あまりのことに本人が一番びっくりした。
面白いので検索してみたら、ぞろぞろでてきたのでリストを作ってみた。
*タワーレコード
*HMV
*アマゾン
*ディスクステーション
*アサヒレコード
*セブンアンドワイ
*ネオウィング
(アマゾンはタイトルごとにしかリンクがはれないようです。「その他の作品」をクリックしてください)
今回発売されるのは、『AMAMI』『Nagi』『Canoe Trip』の3枚だ。
『AMAMI』はプレリリース盤も出したし、僕のサイトでも試聴出来るので
おなじみの作品だと思う。
『Nagi』は奄美大島の嘉徳、実久、スリ浜で録音した、凪の日の波の音ばかりを
集めた作品で、これも自分が大好きなものだ。ず〜〜っとゆるやかに波の音を
聞いていたい時にぴったりだ。
『Canoe Trip』は四万十川をカヌーで川下りしたときのシーンをつづった作品だ。
カヌーをされる方はもちろん、カヌーに乗ったことのない方も四万十川の川下りを
音の世界で体験出来る。日本の川の風景が楽しめて気持ちいい。
是非聴いてみて下さい。よろしく!
尚、すでに『AMAMI』のプレリリース盤を買って下さった方には、なにかプレゼント
しようと思っていますので、どうかご期待ください。

朝崎郁恵+マブリ @結ま〜る


一昨日、五反田にある沖縄料理店、『結ま〜る』で愛知博ー奄美プロジェクトの打ち上げ
があった。この『結ま〜る』というお店は結さんというママがやっているゴキゲンな
お店で、増渕さん関係、奄美関係の人達がよく集まるお店だ。ここは奄美の黒糖焼酎も
あるし、もちろん沖縄の泡盛も各種とりそろえられている。
この日はタナカアツシさんと奈良大介さんのデュオ、『マブリ』のライブも予定されて
いたのだが、朝崎郁恵さんも打ち上げに参加するとの極秘情報も聞いていた。
このマブリというグループもゴキゲンな連中で、奄美の島唄を彼ら独自のアレンジで
聞かせてくれる。面白いのは、彼らふたりとも島ンチュじゃないことだ。
彼らも僕等同様「奄美ラバーズ」なんですね。
さてマブリの一回目のステージが始まる前、後ろの方でざわめきが聞こえた。
振り返ると、入り口から朝崎さんが入ってきた。わお〜〜!! ホントに来たよ!
「朝崎さ〜〜ん!」思わず立ち上がって、朝崎さんの方に行ってお出迎え。
「あら〜〜奥田さんもいらしてたのね〜〜お久しぶり!」と手をとってくださった。
さあ、それからマブリのステージが始まったのだが、彼らにとっても朝崎さんは大先輩。
いつもは余裕綽々のステージぶりなのだが、今日は新人アーティストが初めて人前で
歌うようにカチカチ! 汗た〜〜らたら。朝崎さんはそれをニコニコと眺めながら、
手拍子をたたき、最後はみんなと一緒に立ち上がって踊っておられた。
一回目のステージが終わり、しばし歓談。そういえば、朝崎さんと一緒に食事をするのは
初めてだ。朝崎さんの前だと緊張してお酒もなかなか進まない・・・わけはなく、
いつものペースで焼酎を飲み続けた。さて、2回目のステージが始まり、数曲終わった後、
朝崎さんがステージに飛び入り、2曲唄った。僕は最前列にいたので、朝崎さんとの距離は
約1.5 m ! 近過ぎる! (笑) 
それにしても朝崎さんの「おぼくり〜ええうみ」は最高でした!!
その後マブリのふたりも宴会に参加し大盛り上がり。アツシさんも飲みながらギターを
弾きっぱなしで、70〜80年代ロックメドレーをやりはじめ、これがまたメチャクチャ
面白かった。そのころには焼酎から泡盛に切り替えられ、かまわずカパカパ飲むものだから
すっかり酔っ払ってしまった。12時頃にさあおひらきとなったのだが、もうろうとした
意識の中で、タクシーに乗せられて2軒目へ、、、行ったらしい。。。
このあたりから記憶がほとんどない。僕の『結ま〜る』での泥酔率は100% である。

紫舟さんに会った

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 書家の紫舟さんに会った。
 お会いする前に、彼女のホームページhttp://sisyu.sinayaka.comを見て驚いた。
 その作品の持つ力、優しさ、独創的なアイデア、すべてが卓越していた。
 彼女の作品を見た時に、ベーシストのジャコ・パストリアスを思い出した。
 多くの人が努力を重ね、なんとか乗り越えようとしているハードルを、なにげなく
 軽々と乗り越えてしまった、そんな印象を受けた。ジャコはまさしく誰もが認める
 天才的なプレーヤだったが、紫舟さんにもおなじ匂いを感じた。
 
 僕の前作『川へ帰ろうー四万十川』を以前から聴いてくださっていて、とても
 気に入って下さっているとのこと。新しい作品『AMAMI』を差し上げて、
 彼女のポートフォリオを見せてもらった。そこにはいわゆる書家の域をを楽々
 越えてしまったアートの世界があった。絵も描かれるのだが、その絵も本当に
 素晴らしかった。
 彼女は画家にもなりたいそうだ。
 曰く「書家は天職です。でも画家は好きでやりたいことなんです。」
 とのこと。彼女ならきっと素晴らしい画家にもなるだろうと思った。
 
 そして、近い将来、一緒にコラボレーションしましょうと約束して
 別れた。
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*紫舟さんが書いた、浜崎あゆみ主演映画「月に沈む」の題字。
 写真は渋谷のデカ看板。