そのに

我々を乗せたプロペラ機は、離陸と同時に着陸体勢に入った。まあそれはちょっと
オーバーだが、飛行時間は30分少々なので、ほんとにそんな感じなのだ。
高度が下がるに連れて島の海岸線と真っ青な海がはっきりと見えてくる。
あぁ〜〜、島に戻ってきた! ドキドキしてしまう。
いよいよ屋久島空港に到着だ。タラップを降りて深呼吸すると、優しく暖かい
空気が、都会で汚れた肺の中を清めてくれるような、そんな気持ちになる。
やっぱり島はいいなぁ!
yaku_airport_01.jpg
大量のビデオ機材を受け取って、レンタカー屋さんのお迎えの車に乗り込み、
すぐ目の前の事務所に行き、車を借りる手続きをする。とりあえず、
島の地の利のある僕が運転して、宮ノ浦の町へと向う。
途中屋久島大社に立ち寄り、島の神様にご挨拶する。
これは僕がどこに行っても必ず行なう儀式のようなものだ。
島には島の神様がいる。外から来た人間は、まず島の神様に挨拶をして、
島で音や映像をとることを許してもらう。それが礼儀だと思っている。
それから、屋久島在住の写真家、山下大明さんに会いに行く。山下さんは、
僕が前回島に来た時に知り合った人で、屋久島に長年住んで自然を撮り続けている。
写真集も数多く出されているので、機会があれば是非見てもらいたい。
短期間のロケでは絶対に撮れない素晴らしい写真を撮っている方だ。
我々は山下さんの家を訪れ、ロケーションのアドバイスを受ける。彼は島を
知り尽くしているので、こういう絵を撮りたいのだがと伝えると、それが撮れる
場所を次から次へと地図にマークしてくれた。

限られた日数が惜しい我々は、早速夕景を撮影するために、永田のいなか浜へと
移動した。このいなか浜は僕が大好きな浜のひとつで、撮影候補のまっさきに
考えていた場所だ。丁度日没の1時間以上前に到着出来たので、日が沈む角度を
確かめながら、撮影スポットを探しまわる。
夕日は今回のメインとなる大切な絵だ。僕は太陽が海に沈んで行く景色を延々と
撮り、それをバイノーラルで録る波の音に合わせたかったのだ。
いよいよ日が落ちてきた。あれれれ? いかん! 雲が厚過ぎる!
それに水平線が靄でかすんでいる。あららら、、、太陽が水平線に消えていく
はるか前に、雲の中に落ちていってしまった。
あぁ〜〜あ、、、だめじゃん!!
後で見てみると、それはそれで十分綺麗なのだが、自分がイメージしていた絵とは
少し違っていた。まあいいか、初日だし。明日またトライしよう。
さっさと機材を撤収した我々は、一路飯屋へと車を飛ばした。
*山下大明さんの写真集の情報はこちらから 。

2 Comments

  1. なつ

    いなか浜の太陽とジョーさん。大きな命と命をもった人の対面、とても楽しそうです。夕陽が美しいのは、夕陽は人間に求愛してるんじゃないかと、ふと思いました。

    Reply
  2. Joe

    なつさん、この間はどうも!!
    夕日を長い時間ながめていても飽きないのは、
    夕日を見ながら、実は自分自身を眺めているからかも
    しれませんね〜〜 なぁ〜〜んて思うことがあります。

    Reply

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